四手網をやってみた
史上最長ともいわれた2019年のゴールデンウィーク連休を利用して四手網と呼ばれる漁をやるために岡山県へ遊びに行ってきました。
四手網とはブルーシートのように四角い網の四隅を縄で結び、縄で網を上げ下げできるようにした非常にシンプルな形状の網です。
岡山県ではこの四手網で漁をするための四つ手小屋と呼ばれる小屋がいくつか存在し、今回はこの小屋で四手網漁を体験します。
岡山県の四つ手小屋は一泊一棟貸で、一つの小屋にだいたい10名程度が宿泊できる大きさがあり、料金もだいたい1万円程度です。今回はその中から近藤さんの四つ手小屋を利用しました。
小屋の一覧はこちらにまとまっています。
四つ手小屋は海岸沿いに海へ飛び出る形で小屋が建てられ、小屋の海側に巨大な四手網が据えられています。この四手網は小屋内に設置してあるボタンによって電動で操作することができます。
室内にはガスコンロ、シンクがあり、包丁やまな板、鍋、フライパンなど最低限の調理用品はそろっており、簡単なものであれば料理も可能です。
キッチンの真横は畳が敷かれており、テーブルや毛布、テレビ、冷蔵庫が置いてありなどちょっとした居間のような空間になっています。
ここまで読めばお分かりかと思いますが、四つ手小屋は四手網を使って獲って食うことにパラメータを全振りしたおもしろ小屋なんです。
基本的には小魚、エビ、イカ、カニを狙うことができ、運が良ければ中型から大型の魚や鰻なんかが獲れたりするようです。
辺りが暗くなってきたぐらいから四手網上部のライトを灯し四手網漁スタートです。
近藤さんにお話を伺うと、網は20-30分程度沈めたらあげていいようです。
気分は完全にガチャです。ソシャゲに課金してガチャ引くくらいなら、四手網ガチャやったほうが絶対楽しいぞ。
海を眺めているとまあまあの頻度で大型の魚が水面からこれみよがしに飛び出てきて、あんなのかかったらどうする?とキャッキャウフフしながら待ちます。
ボタンを押して網をあげるとピチピチと動くものが色々いるので、小屋内に置いてある柄が3mくらいある長い網で窓から根こそぎ掬っていきます。
結構重いため最初はなかなか扱いづらいですが慣れればサクサク獲物を捉えられます。
数回やるとこんな感じの釣果です。
小魚は毎回10匹以上、ベイカと呼ばれる小さなイカやハゼは毎回1匹程度、エビ、小さなヒラメは数回に1匹といった排出率です。
獲れたら早速食います。
手の上で色が次々と変わっていくほど新鮮なベイカは小さいけれど、胴体、耳、足に捌いてオリーブオイルとニンニクとハーブソルトでさっと炒めて食ってやりました。
食べたことないくらいプリップリの食感でバカ美味いです。
このあと天ぷらでも食べて見たのですが、こっちの食べ方のが格段に美味しくいただけました。
小魚やエビなんかは天ぷらで。
めっちゃ美味い。
小さいゆえに骨も何も気にしないで丸ごとサクサク食べられるので無限です。
ちょっと大きめなスズキが獲れたのでこいつは外で炭火で焼いてやります。
コンロと網は置いてあるので、炭だけ持っていけば好きに使える至れり尽くせりっぷりです。
ついでに道中で立ち寄った五味の市と言う市場で買った天然の黒鯛も焼いてやります。
もう半身はお刺身で。鯛ってやっぱめっちゃ美味いなと改めて実感させられる力強い旨さ。
この黒鯛、30cmちょいくらいのりっぱな天然物にも関わらず1匹500円で売られています。お願いすれば下処理も全部やっていただけて、おまけでいろんなアラとかもつけてくれます。岡山サイコーかよ。
そんなこんなしていると30cm近い巨大なカニもかかりました。
大きすぎて遠目に見ると最初亀でも引っかかったのかと思いました。
こいつは市場でもらった大量のアラと共に味噌汁に。
水分と素材が1:1くらいの分量だったのでめちゃくちゃ濃厚なお出しでバカうまでした。
調理して、食べてというサイクルを回しているとあっという間に20分くらいは立つので、四手網の無限ループが回りだしてしまい、20時頃からはじめましたが、気がつくとあっという間に深夜4時近くに。
チェックアウトは一応朝7時なのですが、その辺はゆるい感じで事前に伝えておけばもう少しゆっくりしていても問題なさそうでした。
翌朝は月に一度開催される備前岡山京橋朝一がやっていたのでそこへ寄って帰路につきました。
1泊2日の岡山旅行でしたが、四つ手小屋に行く前に潮干狩りにも行っていてトータルで非常に楽しい旅になりました!
今回は海側を攻めていきましたが、温泉や渓流もなかなか魅力的な感じだったので今度はそっちのほうにも遊びに行ってみようと思います。